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特別インタビュー:明海大学/三輪教授に伺うホスピタリティ・ツーリズム学部でプロポ ーザルマネジメントを学ぶ意義とは?


明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部にてプロポーザルマネジメントを必修科目として取り入れていただくことになりました。同学部の学科主任・三輪祥宏教授にインタビューさせていただきました。

<参考情報:三輪教授プロフィール>

https://www.meikai.ac.jp/about/information/degree/hospitality_tourism/121.html


――2022 年4 月に学部が生まれ変わると伺いましたが、どのように生まれ変わるのでしょうか?新設されるデジタル・イノベーション メジャー(DXM)について詳しく教えてください。

 

ホスピタリティ・ツーリズム学部では新しいメジャーを設立します。 IT とホスピタリティ・ツーリズム産業の知識を併せ持ち、業界のデジタル化を推進する人材育成を目指す「デジタル・イノベーション メジャー(DXM)」です。ホスピタリティ・ツーリズム学の知見にデジタル・イノベーションを融合させ、文理を超えた理解で変革を推進するリーダーの輩出を目指します。

 

 

――なぜ、今、ホスピタリティ・ツーリズム学部にIT の知識を学ぶデジタル・イノベーション・メジャーを立ち上げられたのでしょうか?

 

ホスピタリティ・ツーリズム産業では、デジタル化の波がコロナ禍で急速に加速化しました。インターネットを介した予約は当たり前で、フロントで従業員との接触が必要ないホテルサービスが増加するなど、多くの仕事がデジタル化しつつあります。だからこそ、デジタルを介した顧客体験をデザインし、ビジネスとして成功させる力が今まで以上に重要になると考えています。

 

 

――ホスピタリティ・ツーリズム産業で求められるデジタル化を推進する人材にはどのような能力が求められるのでしょうか?

 

ただ、IT を知っているだけでは、ビジネス変革や新たなイノベーションを創造することはできません。今後も進化していくデジタル技術とホスピタリティ・ツーリズム産業における現場や経営の知識、この両方を合わせ持つことで「IT」と「ビジネス」を橋渡しできる人材を輩出していきたいと考えております。

 

 

――本メジャーのカリキュラムの中にプロポーザルマネジメントを採用いただきました。必須科目として取り込まれた狙いはなんですか?

 

本学部では「IT力」に加え、グローバルで活躍できる「英語力」、関係者へ自身の考えを伝える「コミュニケーション力」を養うため、少数制のゼミナールやインターシップなどの取り組みに力を入れています。いくら良いアイディアを持っていても、それを相手に届ける力、理解してもらえる力がなければ、そのイノベーションの原石は日の目を見ることなく埋もれてしまいます。DXを推進しようとしている他業界でも同様かとは思いますが、「上司に理解してもらえない・・。経営者の賛同が得られない・・。」という現場の声、そして「自社のDXがなかなか進まない・・。現場から良いアイディアが出て来ない・・。」という経営層の声がホスピタリティ・ツーリズム産業においても数多く聞こえてきます。

 

このような背景からも学生が社会に出て、ホスピタリティ・ツーリズム産業でデジタル化を推進していくなかで、社内外の関係者に向けて的確に「提案」を行うことは必須のスキルになると考えています。そこで、プロポーザルマネジメントを講義科目の必修として配置、加えて実践的な学びを得られるように演習科目も配置いたしました。

 

 

――これからの時代に必要とされる実践的な学びが得られるとても魅力的なメジャーですね。ホスピタリティ・ツーリズム産業のDXを推進する次世代型人材の輩出を目指されていることが良く理解できました。どのような学生さんに本メジャーを専攻して欲しいとお考えですか?

 

理系とか文系とかの枠にとらわれず、柔軟な発想力で問題を発見できる素養を持った学生が増えると良いなと期待しています。技術の進歩がとにかく早いので、新しいものに好奇心を持ち、挑戦や実験でちゃんと失敗をして、そこから学び続けられる大人になってほしい、と考えております。

 

コロナ禍により必要以上にデジタル化が求められているようにも思います。しかし、全てがデジタルにとって代わるわけではありません。対面のコミュニケーションはより高付加価値なサービスに位置付けられ、優れたコミュニケーション能力を持つ人材の価値はより高まると考えられます。

 

デジタルの強みを活かしたサービス開発と同時に、リアルならではの顧客体験価値の創造、この両輪を通じ、ホスピタリティ・ツーリズム産業のトランスフォーメーションにチャレンジしていきたい学生さんには、ぜひ本学部の門戸を叩いて欲しいと考えています。

 

現在はコロナ禍により旅行や外出を控える方が多く、業界全体に厳しい状況が続いております。しかしながら、コロナが落ち着いた暁には、必ずホスピタリティ・ツーリズム産業の需要は高まり、みなさんの人生や生活を豊かにする、なくてはならない存在であると再認識される日が必ず来ると信じています。

 

 

――APMPや弊協会に期待することはございますか?

 

我々のスタッフと一緒に、ホスピタリティ・ツーリズム業界、あるいはサービス業界のデジタル化に向けて海外の事例や知見、場合によっては人材を紹介いただきつつ、一緒に考え、問題解決していけるようなスキームを作りたいと思っております。

 

APMP日本支部の会員のみなさまと学生の交流の機会を作っていきたいと考えております。社会で活躍されているプロフェッショナルなみなさまとの交流は、学生にとって学びが多く、刺激にもなります。ぜひ力をお貸しください。

 

  

――ありがとうございます。講義を通じた学生さんとの出会いも楽しみですが、APMP日本支部におけるコミュニティ活動においても、コラボレーションする機会をぜひ一緒に検討させてください。本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

 

 (インタビュー日:2022214日)

 

<参考情報:明海大学 ニュースリリース >

https://www.meikai.ac.jp/news/202243.html

 

<参考情報:デジタル・イノベーション メジャー(DXM)特設ページ>

https://www.meikai.ac.jp/department-graduateschool/hospitality-tourism/dxm/-special.html